どこから始めればいい? “人生の断捨離”の優先順位ベスト5
家の中にある物・情報・書類を前にすると、誰しもこう思います。
「何から始めればいいの……?」
片づけが苦手だからではありません。人生とつながる情報が多すぎて、優先順位が見えにくいからです。そこで今回は、行政書士の視点から、“人生の断捨離”をスムーズに進めるための優先順位を5つに整理しました。
焦らず、この順番で進めていけば大丈夫です。
【優先順位①】まずは「お金の流れ」を知ること
──リスク回避のための最重要ポイント
断捨離で最初に取り組むべきは、お金の流れの把握です。理由はシンプルで、ここを放置すると本人にも周囲にも大きなトラブルが生じるからです。
最低限、次の4つだけ整理すれば十分です:
- 銀行口座の一覧(残高は不要)
- 生命保険・医療保険などの契約一覧
- 毎月自動引き落としされている契約(サブスク含む)
- 利用しているクレジットカードの種類
金額まで書かなくて構いません。“存在の把握”ができるだけで、未来のリスクは大きく減ります。
【優先順位②】次に「緊急時の困りごと」を埋める
──もしもの時、誰があなたを助けられるか
おひとり様にとって最も怖いのは、緊急時に本人の情報が誰にもわからないことです。そこで最低限整えておきたいのが次の3つです。
- 緊急連絡先(家族・友人・専門家)
- 持病や服薬内容のメモ
- 身元を確認できる基本情報
ほんの数行のメモでも十分役に立ちます。
【優先順位③】書類の山には「3つの箱」で向き合う
──残す/検討/捨てる を一気に決めない
書類整理が進まないのは、最初に完璧を目指してしまうからです。行政書士としておすすめしたいのは、次の3箱方式です。
- A:絶対に残す(契約書・保険・金融関係)
- B:迷うので保留(検討エリア)
- C:明らかに不要(捨てる)
最初はAとCを少しずつ進めるだけでOK。Bの箱は後から自然に小さくなっていきます。
【優先順位④】デジタル情報は最初に“やりすぎない”
──ロックと契約の確認だけで十分
スマホやPCの整理は、手をつけると時間を取られやすい領域です。まずは次の2つだけ整えれば大丈夫です。
- スマホのロック番号やメモの保管場所を決める
- サブスクやオンライン契約の一覧を作る
細かいフォルダ整理は、後回しで構いません。
【優先順位⑤】最後に「気持ちの整理が必要な物」に向き合う
──写真・手紙・思い出は、急がなくていい
写真や手紙、思い出の品には気持ちが深く結びついています。これを最初に触ると、どうしても手が止まってしまいます。
“後回しにしていい” と、自分に許可を出すこと。
気持ちが整ったときに向き合えば十分です。
■ 一人でできなくてもいい。優先順位を知ることで、前に進める
断捨離や生前整理は、“これから安心して生きるための土台づくり”です。一人では難しい部分も、伴走者がいれば軽やかに進みます。
次回は、“人生の断捨離を継続するコツ”についてお話しします。