2025/12/10

おひとり様安心設計第6回ひとりで頑張らなくていい──“人生の断捨離”を伴走するという選択

ひとりで頑張らなくていい──“人生の断捨離”を伴走するという選択

離婚のとき。
母を見送ったとき。
新しい人生に踏み出す直前。

私自身、これまで何度も大きな断捨離を経験しました。整理屋さんの女性スタッフがテキパキと動き、家の様子が一気に変わっていく頼もしさもありました。

けれど、急いで片づけなければならない時ほど、本当はゆっくり向き合うべきものが後回しになってしまいます。

  • 写真や手紙の整理ができず、また天袋へ
  • 大切な気持ちの整理が置き去りに
  • 必要な書類と不要な紙が混在したまま
  • 大事な契約や口座情報が誰にも共有されていない

片づけとは、単なる「物の処分」ではなく、自分の人生と向き合う作業だからです。ひとりでやると、手が止まってしまうのも当然のことなのです。


■ 「これは法的に重要か?」行政書士だからわかる優先順位

家の中にある物の中には、未来の安心に深く結びつく情報が必ず含まれています。

  • 古い通帳に残る休眠預金
  • 複数の保険証券の中で有効なのはどれか
  • 自動更新され続けている契約
  • 大切なのに誰にも言えていない希望
  • 緊急時に誰に連絡すればよいか不明

こうしたものは、一般の片づけ業者さんでも判断が難しい部分です。どの情報が重要で、どの書類が将来の安心に関わるのか——この判断には、法的視点が欠かせません。


■ “片づけ屋さん”とは違う、私ができる伴走支援

私が担える支援は、“片づけ作業”そのものではありません。

人生の整理に必要な情報・気持ち・書類の取捨選択を、一緒に整えていくこと。

たとえば、次のような部分です。

  • この書類は残すべきか、捨ててよいものか
  • 将来トラブルを避けるために必要な情報は何か
  • 家族や大切な人に伝えるべきことは何か
  • 判断能力が落ちたとき生活を守るには何が必要か
  • 死後の手続きは誰が担えるのか

私は家具を動かしたり、ゴミ袋を運んだりすることはできません。しかし、物の向こう側にある、“人生の意味づけ”の整理には寄り添うことができます。

家の中のモノだけでなく、これからの人生をどう生きるか。その土台づくりを一緒に考える——それが、私が提供できる伴走支援です。


■ 一人で頑張らなくていいという選択肢が、安心をつくる

人生の断捨離は、焦って一気にやるものではありません。ゆっくり、でも確実に未来につながる形で整理したほうが、心にも生活にも安心が生まれます。

頼っていい。
一緒に進めていい。
ゆっくりでいい。

そう思えるだけで、“片づけ”は“未来の準備”に変わります。

次回は、「どこから手をつければよいのか」──人生の断捨離の優先順位についてお話しします。