2025/12/9

おひとり様安心設計第5回|今日から始める「デジタル情報の片づけ」 ──まずは3つだけやれば安心できる実践ステップ

おひとり様安心設計第5回|今日から始める「デジタル情報の片づけ」
──まずは3つだけやれば安心できる実践ステップ

デジタル遺品の全体像を知ると、
「これは一人では無理なのでは…?」と不安になる方が多いものです。
でも大丈夫。まずは3つのことだけやれば、安心の7割は整います。

行政書士として実務に携わっていても、
この3つができていれば、ご家族や受任者が“困らない体制”が整います。


【ステップ1】スマホのロック情報をひとつにまとめる

デジタル遺品で最も問題になるのは、
スマホが開かないこと。

銀行、証券、メール、写真、サブスク、ポイント…。
すべての入口がスマホだからです。

■ 今日やること(5分でOK)

  • スマホのロック番号を書き残す(紙・メモ帳アプリ・封筒など)
  • Apple ID(iPhone)またはGoogleアカウントを確認してメモ
  • 2段階認証のコードの受信先(SMS/メール)を書いておく

スマホが開けば、ほぼ全ての情報にアクセスできる。
これだけで安心度が大きく上がります。


【ステップ2】毎月お金が出ていく“契約”を洗い出す

「知らないうちに続いている契約」が、最も大きなトラブル原因です。

■ まずは3つの領域だけ確認

  • 通信(スマホ・Wi-Fi・クラウド)
  • 動画・音楽・電子書籍などのサブスク
  • 公共料金のオンライン請求

■ 今日やること(10〜15分)

  • スマホの「サブスクリプション」画面を確認
  • Amazonの「定期便」「Prime会員情報」を見る
  • クレジットカードアプリの利用明細を確認

メモするのはサービス名と月額の2つだけでOK。
これだけで、ご本人にも受任者にも“契約の全体像”が分かります。


【ステップ3】写真・重要データの“バックアップ場所”を決める

スマホの中には、取り戻せない思い出や生活記録が詰まっています。
どんなに頑張っても、写真だけは作り直せない。

■ 今日やること(15〜20分)

  • iCloud/Googleフォトのバックアップ状況を確認
  • 「残したい」「見られたくない」を軽く仕分け
  • USBメモリや外付けHDに1フォルダだけ保存

完璧な整理をしなくても大丈夫。
“バックアップがある”というだけで、安心感は全く違います。


■ 行政書士として感じる「この3つの強さ」

実務で死後事務・任意後見に関わっていると、
この3つが揃っている方は本当にスムーズです。

  • スマホが開く
  • 契約の全体像が書かれている
  • 写真やデータにアクセスできる

これは、ご本人の人生が「ていねいに扱われる」ことに直結します。
元気なうちの小さな準備は、未来の自分への最大の贈り物です。


【まとめ】今日からできる3つの安心ステップ

  • スマホのロック・IDを書き残す
  • 毎月の契約を3つだけ洗い出す
  • 写真データを1か所にバックアップする

難しいことをしなくても、
この3つだけで「おひとりさまの不安」は大きく軽くなります。


■ 次回の予告

第6回は、いよいよ信頼できる人に任せる仕組みへ。
死後事務委任契約・任意後見契約・生前契約など、
「誰に」「どこまで」を明確にするステップに進みます。