2025/11/14

熟年再婚という選択──制度を知り、人生をもう一度「ふたりで」はじめる|岩瀬行政書士事務所

熟年再婚という選択──制度を知り、人生をもう一度「ふたり」ではじめる

人生の後半に訪れる、もう一度の「ご縁」。 再婚を決意されたおふたりに、心から「おめでとうございます」とお伝えしたいです。 熟年再婚は、決して珍しいことではありません。 統計では、日本の婚姻件数のうちおよそ5組に1組が再婚です。 そして50代、60代の再婚も年々増えています。

「入籍」に迷う気持ちも自然なこと

再婚を考える方の中には、「入籍をためらう」ケースもあります。 たとえば、姓が変わることへの抵抗相続や財産の整理、 あるいはご家族(特にお子さん)への配慮など。 そんな理由から、婚姻届を出さずに「内縁」や「事実婚」という形を選ばれる方もいます。

実際に、最近のシニア層では「届出婚より事実婚を希望する」方が増えているという調査もあります。 背景には、年金や扶養制度、相続関係などの複雑さがあるからです。 けれども、これは“結婚へのためらい”ではなく、 「お互いを大切に思うからこそ、慎重に考える」という姿勢のあらわれでもあります。

制度を知ることは、ふたりを守ること

内縁関係には、法律上の保護も一定あります。 しかし、相続権は自動的には発生しません。 そのため、遺言書や任意後見契約、死後事務委任契約などで 「パートナーを守る仕組み」を整えておくことが大切です。

一方、正式に入籍すれば、法的な保護は手厚くなります。 社会保険、相続、医療同意など、多くの場面で安心感があります。 つまり、どちらの形にもメリットと課題があるのです。

大切なのは「どんな形で生きたいか」を選ぶこと

入籍でも、事実婚でも。 一番大切なのは、ふたりがどんな人生を歩みたいかを話し合うことです。 周りの理解や支援があれば、制度はもっと優しく使えます。

行政書士の立場からお伝えしたいのは、 「制度を知ること」は“愛の現実化”だということ。 書面にしておくことは、感情を冷やすことではありません。 「相手を守る」という気持ちを形にすることなのです。

知識は、愛を守る力になります。

どうぞ、自分たちらしい人生の形を選んでください。 そして、これからの毎日が穏やかで、笑顔の多いものでありますように。

再婚・事実婚のご相談はこちら (遺言・死後事務委任など法的備えもご相談ください)


次回予告:「“夫婦のかたち”を守る契約──遺言・後見・委任のちがい」
制度を知ることで、愛する人をもっと守れる仕組みを紹介します。