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2026/4/30
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薫子法律 のたりのたり 第3回 キャッツアイは本当に泥棒なのか? |
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薫子法律 のたりのたり第3回 キャッツアイは本当に泥棒なのか?あの頃、私は高校生でした。 印象的なあのシンセドラムで始まる主題歌。 昼は喫茶店を営み、夜になると怪盗へ変身する三姉妹。 『キャッツアイ』は、当時とても人気のあった作品でした。 華麗なアクション。 おしゃれな街並み。 そして、怪盗を追う刑事との恋愛模様。 高校生だった私は、なんもかんもおしゃれだねーと思って見ていました。 ところが大人になり、法律を学んで、ふと思うことがありました。 キャッツアイは本当に泥棒だったのでしょうか。 物語の中で三姉妹が狙うのは、無差別な金品ではありません。 多くは行方不明になった父親が遺した作品やコレクションです。 つまり彼女たちは、 「他人の財産を奪う」 というより、 「父の遺したものを探している」 ようにも見えるのです。 もし現実の世界ならどうでしょう。 仮に父親の所有していた絵画が、何らかの事情で他人の手に渡っていたとします。 娘たちには返還を求める権利が認められる可能性があります。 所有権という権利は、とても強い権利だからです。 しかし、ここからが法律の面白いところです。 たとえ自分に権利があると思っていても、 勝手に美術館へ忍び込み、 警備システムを突破し、 作品を持ち帰ることは認められません。 法律は「自力救済」を原則として禁止しています。 簡単に言えば、 「自分で取り返してはいけません」 という考え方です。 もし権利を主張するのであれば、 話し合いをする。 証拠を集める。 裁判所を利用する。 法律で定められた手続きによって解決を目指します。 現実の世界は、アニメほど華やかではありません。 しかし、それには理由があります。 誰もが 「これは本当は自分の物だ」 と言って実力行使を始めたら、社会は大混乱になってしまうからです。 一方で、私たちはなぜキャッツアイを応援したくなるのでしょう。 それは単なる窃盗犯として描かれていないからだと思います。 父への思い。 家族の絆。 失われたものを取り戻したいという願い。 そんな感情が物語の根底に流れています。 相談の現場でも、 法律だけでは割り切れない場面に出会うことがあります。 相続の相談もそうです。 遺産の額より、 「親は本当はどう考えていたのだろう」 という言葉を聞くことの方が多いくらいです。 法律上の権利と、 人の気持ちは、 必ずしも同じではありません。 高校生の頃の私は、 キャッツアイの三姉妹が格好いいと思っていました(べっぴんだしね)。 行政書士になった今の私は、 まず話し合いましょう、と言うでしょう。「あぶないことはおよしになって」と。 でも、父の足跡を追い続けた三姉妹の気持ちはわかります。 法律は権利を守るための仕組みです。 けれど、その奥にはいつも人の思いがあります。 だから私は、 法律だけを見るのではなく、 その人が何を大切にしているのかにも目を向けたいと思っています。 そんなことを、懐かしいアニメを思い出しながら考えるのです。 薫子法律 のたりのたり アニメと映画と人生と、ときどき法律。 ※アニメや映画の世界と現実の法律は少し違います。本コラムは作品を楽しみながら法律を身近に感じていただくための読み物です。実際の法的判断は個別の事情によって異なります。 |
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